中頓別町国民健康保険病院
院長

勝谷 孝行

令和3年就任

プロフィール

新潟県佐渡市出身。東海大学医学部卒業後、神奈川県横浜市の病院にて研修後、神奈川県立こども医療センターにて小児外科の診療に従事。その後、外科医師として国立病院、大学病院で勤務。地域医療の充実に貢献したいと考え、令和3年、中頓別町国民健康保険病院に院長として赴任。

それぞれの職種が協力し、力を発揮できるフィールドを整えること
それが院長の役割であり、チーム医療の第一歩だと思います

 これまで国立病院や大学病院で勤務をしてきましたが、子どもが2名とも社会に出て医師となり、手が離れたことをきっかけに、妻とともに中頓別町へ転居し院長を拝命することとなりました。

 今後の医師としての人生を考えた時に、無医村の地域を作りたくない。地方の医療を支えたいという思いがありました。その思いに合致する先を探していた時に当院のことを知りました。地域医療への貢献と、自分がやりたい診療とも合致していました。当時は内視鏡をできる医師がおらず、検査のために名寄や遠い町の病院まで患者さんが通っていました。そこで当院へ赴任し院長を拝命しました。

地域を担う病院として、まずは受け入れて診療すること
ゲートキーパーとしての役割を果たしたい

 当院は地域のプライマリを担う病院です。地域の住民の方に体調異変があれば、まずは当院でスクリーニングをし、対応できない場合は他院へ紹介する、ゲートキーパーとしての役割を持っています。高齢者や慢性期の患者さんは、高度あるいは特別な治療ではなく、かかりつけとして急変等に対応し、その後リハビリの関与で状態悪化を防ぎ、活性化を図ることができます。

 当院は、町の方が在宅や施設で放置されたり、たらい回しされないよう、まず受け入れて診療することを目指しています。

一人で解決できることには限界がある
それぞれの職種が協力し、力を発揮できるフィールドを整えること

 当院では常勤医師だけでなく、旭川や名寄からの非常勤医師も外来・当直の診療にあたっています。整形外科などの診療枠もあるため、他科の先生のご意見もいただきながら相互に協力して診療を行うことを大事にしています。
それぞれに得意分野がありますが、一人で解決できることには限界があります。専門分野を持ちつつ、他科・他院の医師とも相互に協力できる関係性、それは患者さんにとっても有意な取り組みであり、大事にしたいと思います。

 医師として患者さんを診ることは当然として、院長・管理者として、それぞれのスタッフが得意な力を伸ばし、それぞれの力を発揮できるよう環境を整えることが役割だと考えています。

 そのため、診療では看護師・コメディカル・事務職など関わるスタッフの意見や現場で起こっていることに耳を傾け、職員が気持ちよく働けるようにコミュニケーションをとること、そして一部の職員に負担が偏らないように業務の流れや分担を工夫することを心がけています。

 職員が話しやすい、声をかけやすいこと、意見を出したり相談をしやすいこと、それがチーム医療の第一歩ですし、医師として、院長としての役割だと考えています。

介護医療院、小規模多機能と新たな取り組みが始まる
住み慣れた町で暮らし続けられるよう、新しい病院づくりを進めたい

 介護医療院ができることで、これまで退院後の行き先や在宅での受け入れが難しかった方を、町の中で医療がカバーできるようになります。東京で勤務していた頃、病院があった区では毎月2桁の孤立死が起きていることを目の当たりにしてきましたが、この中頓別町では、誰にも知られず亡くなることや、どこか遠くの町まで行かなければならないといったことを無くしたいと思います。

 また、中頓別町では病院や介護施設、保育所、学校が近くにあります。将来の構想として、高齢者と子供とのふれあいの機会を設けることなども実現できればとイメージを膨らませています。高齢者にとってはとても良い刺激と活性化になり、また子供たちの教育にとっても学びが大きいと思います。

 これから介護医療院をはじめ、地域と高齢者を支える病院づくり、新たな取り組みが始まります。

 地域や高齢者を支えたい。そんな思いを持った方にぜひお越しいただきたいと思います。