看護師長
土屋 里美
プロフィール
中頓別出身。中頓別町で生まれ育ち、小中高まで地元で過ごす。紋別の看護学校を卒業後、地元に戻り中頓別町国民健康保険病院に入職。病棟、外来等を経験の上、現在は副看護師長として外来および地域連携を担当。病院・行政・地域機関を繋ぎ、医療を必要とする町民の窓口として活躍中。
医療を必要とする住民の窓口として、医療・介護・行政がスクラムを組み、
自然に地域包括ケアを実現できていることが強みだと思います
看護師になろうと思ったのは、親戚に障害を持つ方がいて医療福祉分野の仕事に就きたいと思っていたことがあると思います。高校2年制の頃、看護師の働く姿を見て看護師になろうと決めました。町の奨学金を受けて看護学校に進学し、中頓別町に戻って就職しました。同級生が大きな総合病院に就職する中で、そういった経験をしたいという思いもありましたが、地元に戻り、生まれ育った町に貢献したいと思い、町に戻ることを決めました。この選択は今も間違っていなかったと思います。
新卒で入った当初は、正直辛いこともありました。大規模な病院では体系的な新人教育体制が整っていますが、それまで新卒があまり入職していなかったため手探りでのスタートだったことを覚えています。周りの先輩に聞きながら教わりましたが、新人の頃は教科書通りの知識が頭にあり、臨床の現場とのギャップも多かったです。だからこそ、その中で次に入る新人さんのために、マニュアルや手順を整えて、それを基にその後に入った方に教えていく形を作っていきました。
町の保健師さん、ケアマネジャーさんとスクラムを組み
隅々まで目が届くサービスを提供していけるのがやりがいです
当院の良さは患者さんも職員どうしも顔なじみで、いつも相談しやすい関係性があり、患者さんも安心して受診できることだと思います。院内の連携は職種間を問わず、お互いの考えや意見交換ができるスタッフがいて、医師にも看護師から説明をしてスムーズに診療につなげることができます。
また院内だけでなく、町の保健師さん、ケアマネジャーさんとも連絡を取り合いながら、お互いに情報共有をしています。外来の窓口として、地域包括支援センター、ケアマネ、院外薬局などと常時連絡を取りあい、医療を必要とする町の住民の窓口となっています。医療・介護・行政ががっちりとスクラムを組み、隅々まで目が届く最強の組み合わせだと思います。
病院に来られる町の方の生活背景や家族構成なども含めて把握して、総合的に支援できることにとてもやりがいを感じています。中には大変なケースもあります。その方の性格や生活背景から、ご本人・ご家族の希望と、現実的との判断をしてサービスを組んでいくことが必要な場合もあります。そのときに、一人の考えではなく、地域包括支援センターやケアマネジャーも含めて検討しあっていけるのが嬉しく思います。
スタッフ皆が患者さんの異変に気付き、必要なサービスにつなげる
本来の「地域包括ケア」が自然に実現できている
看護師として大事にしていることは、高齢の患者さんが多いため、受診に来られたときに、ちょっとした行動や言動から普段と違う様子を感じること、気づいたらすぐ対応することを心掛けています。
脳血管疾患などの身体症状だけでなく、認知症の進行なども早めに気づいて対応することが大事です。例えば外来の問診や声掛け、受付や会計でのやり取りでも、患者さんにしっかりと向き合い、患者様の異変に気付き、気付いたことはスタッフ間ですぐ共有して課題を見出せるように心がけています。
また、外来にいらっしゃる在宅の患者さんはコロナ禍で外出を控える方も多くなる中、高齢の患者さんに対してはカレンダーに次の受診を書き込み、異変があればすぐ包括やケアマネに連絡をして在宅に様子を確認してもらったりしています。地域が病棟で、病院はそのステーションで、在宅の患者さんの所に出向いていくという地域包括ケアが中頓別町では自然に実現できていると思います。
四季を通じて豊かな中頓別町
その町のために新しい病院づくりをすすめたい
今年度から病院内にオープンする介護医療院は新しいタイプの施設です。まだ想像がつかない部分もありますが、町の中で安心して医療・介護を受けられること、医療・介護のセーフティネットの網の目が細かくなることはとても重要だと思います。
地元の方は地元で暮らしたいという思いが強いです。その中で、町内だけでは受け入れができないという現実があり、困っている患者さん・ご家族が多かったです。退院しても在宅に戻れない、しかし特養にも入れない。そういった方の受け入れができるようになります。不安もありますが、頑張って新しい病院をつくっていきたいと思います。
また、中頓別町はアウトドアが好きな人には是非おすすめしたい町です。春は山菜取り（アイヌネギやウド等も採れます）、夏は登山（ピンネシリ山）、ヤマメ釣り（いろんな川で）、秋はキノコ（洛陽キノコ）、冬はスキー場があり、山や丘でスノーシューもできます。この環境に惹かれて移住してきた方も多くいらっしゃいます。
豊かな環境の中で、地域づくり、病院づくりに加わってくださる方をお待ちしています！
